2008-01-01から1年間の記事一覧

本質を見抜く力

あまり面白い本ではなかったが、書評ということで。BM技術協会『AQUA』新年1月号掲載予定です…… 『本質を見抜く力』環境・食料・エネルギー 養老孟司 竹村公太郎 対談集だ。養老氏の前書きには「自分が生きてきた時代、様々なイデオロギーに翻弄され…

オバマそして上場

う〜ん、とうとう更新ブランク1カ月を突破だ。 そんな今日、オバマさんが大統領になった。僕のカイシャが上場をした。 人間原理と自然原理ではこの2つともが人間原理。 人が一旦手を入れてしまった森はずっと人が世話してあげなきゃいけないんだと、昔ニコ…

ビルのヒト植物

ビルのヒト植物。この前カメラに収めた日(http://d.hatena.ne.jp/buonpaese/20080918/1221825594)が9月19日。あれから10日。雨も降ったし、先週は末ごろからめっきり涼しくなって、今日月曜の朝はさらに冷え込んだ。と、気になって見に行くとやっぱり。 …

空をめざして

東京のはずれの土手そばの、殺風景な場所に通っている。 その事務所の向かいにある印刷工場の壁に何かの植物が気になっている。 それは土中から芽吹き、この夏の短いあいだ少しずつ生長して、 もう少しで屋根に届く勢いだった。今年の夏、梅雨明け後2週ほど…

パプリカでドルマ

昨日高知四万十の畑さんミキドンから届いたパプリカでドルマを食した。 ドルマはピーマンの肉詰めのことで、トルコ料理に出てくるやつ。あまりトルコには詳しくないが、昔神楽坂に通ってたときに昼飯を食いにいったトルコ料理屋があって、そこで必ず出てくる…

パプリカ!

今日シゴト先にとても嬉しい届け物があった。パプリカだ。 去年台風にずごーとやられて陽の目を見ることがなかった、まぼろしのパプリカが突然今日届いたんだ。なんていとおしい。なんて立派なパプリカちゃん。明日きっと黒焦げにして食う。えっと、テレビで…

自然の原理、人間の原理

この言葉が最近のキーワードになっている。 自然の原理は、まあ自然の摂理でも宇宙の法則でもいい。人為ではない営みのことだ。 人間の原理は人為のこと。 この概念を自分ではないヒトが語ったのを知ったのが去年のBM技術全国交流集会の席上、長崎浩さんのお…

文化自給率

お茶のことを考えていたら、ふと“文化自給率”という言葉が思い浮かんだ。 最近よく耳にする“食料自給率”は、カロリーベースといって、食料をカロリーに換算している。お茶にはカロリーほとんどないからあまり関係ないんだが、はたして日本人はお茶を自給して…

書評 水

ひさしぶりにBM技術協会の機関紙『AQUA』に書評を寄稿したのでのっけておきます…… 『水戦争の世紀』『水戦争』 21世紀は水の時代なのだそうだ。どちらの本も豊富なデータと事実の連続で勉強になった。水が豊かな日本にいて、読めば何億トン、何兆トンという…

おいしさと文化

途中でホッポリ出していた『食のクオリア』考の続きを書こうと思った。約210ページのまだたったの90ページ目だったのだ。 …他人の作った料理を食べるということは、究極の信頼を寄せることである…文化は、互いが作ったものを交換することで成り立つ…食の文化…

天地不仁

'75年から'88年の激動の時代に、朝日新聞の「天声人語」を担当し、時代を切り取り続けた辰濃和男さんという人がいる。その人の書いた『文章の書き方』という本に「天若有情天亦老」という言葉があった。天もし情(こころ)あらば天もまた老いん。自然の摂理が…

換骨奪胎

換骨奪胎、というグサっと来るような言葉を、先週農文協のKさんから聞いた。 農業の世界の話で恐縮だが、一昨年から「品目横断的経営安定対策」なる制度が始まった。はしょって言うと、国が経営安定のための支援を一定以上の面積で営農している(担い手とみ…

僕が最近読んだ本

申し訳ない。どうもシゴトや巡るいろいろのスピードが僕にとって早すぎまして、いろんな出来事を時系列に報告できずにいる。どうしたものかと今日も酒かっくらいながら悩んでいたのでありますが、とりあえず、掟破りの謗りを甘んじて受けつつ、最近読んだ本…

釜炒り茶

僕は熊本県旧泉村のFさんをある本で知った。Fさんは在来の釜炒り茶、“青柳”を泉村でただ一人つくり続けている方だ。その本には、今の時代にお茶の生産者の苦悩が、Fさんという方の存在を通じて煎茶そのものの状況と共に描かれていた。それは3つの流れでFさ…

テロワール

テロワール(terroir)という言葉を、2005年、当時スローフード協会の副会長をしていたジャコモ・モヨーリさんから教わった。ジャコモさんはANAの機内誌でワインの連載エッセーを書いているから、そちらを読むと、彼のワインへの視点がどんなものかわかると思…

ヤマチャ

ヤマチャという言葉を知っているか? ヤマチャとは山のお茶すなわち山茶。ふつうのお茶とどう違うかというと、ツバキ科茶樹なことは一緒なのだが、主に山間部で栽培されているお茶のこと。って、ふつうのお茶だって山で栽培されていたりするではないかと、こ…

はる

春なので、少しキモチを守れるような場所を見つけられそうな感覚が生まれているような気がするので、という訳ではないが、ふと谷川俊太郎の“はる”という詩を思い出した。あああんな詩があったよねと突然思い出したのだが、それは最近フランスの本ばかり読み…

リセット&リハビリ

あんなにゆったり過ごした正月明けて、ひどく気ぜわしい3ヵ月だったので、今日、今年初めて、久しぶりに畑に行った。どんなになってるんだろうね、菜の花だの雑草だの片付けなきゃと行って見ると案の定。一面ナズナ、オオイヌノフグリに、菜花。 草花をかき…

地球主義…グローバリズムと多様性

グローバリズムと多様性について、ここ数ヶ月複数の方の文章での指摘が同じだったので整理の意味で残しておきたい。 グローバリズムという言葉の意味は、Wikipediaによると… グローバリズム(Globalism)とは、グローブは英語で球、すなわち地球を意味する語…

また久しぶり…って

前回が2月2日で今日が3月20日春分?…て1ヶ月以上たっちゃってるじゃんお粗末。このかんシゴトやシゴトと遊びの中間のコトで非常に忙しく…ホント頭に何も浮かばんかった。起きてるんだか寝てるんだか、でもボチボチ本なぞ読む余裕も出て来始め、これも…

いのちの食べ方

この前お伺いしたBM協会で、事務局のHさんがボクに「いのちの食べ方」って映画見た?と聞く。しらなかったのでHPにアップしてあるダイジェストを見た。う〜ん、とここのとこ頭の隅でつかえてる思いがあるゾと気付いたりしたのだが、今日大阪のSさんがエコフ…

グレングールド

耳の中でクラシックがはやってる。 ほこりかぶったCDケースからグールドの Goldberg variations が出てきて聴いた。またまたよい。単調で小刻みなリズムの組み合わせに、グールドが独特の抑揚を重ね重ねて、なぜかニューヨークの現代建築のダイニングで目を…

オレンジ色

今日飯田橋でBM協会のみなさんとちょと食事。なぜか僕ひとりハイテンションで、BMは水だ水だぁ〜と喚き半強制的に合意を取り付け満足。まわりはニヤニヤ。水ほど不変普遍的なテーマは少ないヨね〜しかも日本全国で生産者のネットワークはってるんだからなぁ…

新規就農

ここのところ新規就農の方々に会い続けているためか、そのすばらしさや、昔思っていた農業へのイメージとの距離感や、いろいろ考えたりしていた。 まずそのすばらしさは、農業とくに最近の有機農業で新規就農というパターンは、様々に問題化している今の社会…

84年の荘厳ミサ

ずいぶん昔、たぶん10年以上も前のこと。クラシックにハマっていたことがあって、今年の正月以来、また聴くようになった。ゆったり過ごした正月に、例の「のだめカンターヴィレ」でスイッチはいっちゃったわけだ。 で、懐かしいあの曲もう一回聴けないかなと…

イタリア有機農業の魂は叫ぶ

久しぶりの書評を書いた。著者はジーノ・ジロロモーニ。この人の話はいつもイタリアに行くときに相談するNさんから聞いていた。農林中金研究所の蔦谷さんもNさんのコーディネイトで行ったそうだから、なんだか親近感あり。Nさん曰く、ジーノこそイタリアの哲…

小泉正浩さん

彼の家庭は温かい。父ちゃんは父ちゃんらしく、母ちゃんは母ちゃんらしく、子どもは子どもらしい、のびのびと、すっくり大地に育った有機農業の家庭だと思う。それは父ちゃんの人柄。農業の技術以前に家族を見ればそれがわかる気がする。彼の有機農業がうま…

木城

ああ世の中には不思議な場所があるもんだ。 十数年来おつきあいのある生産者、小泉正浩さんご一家が暮らす宮崎県木城町のことだ。そこらじゅうに古墳が点在する台地。山奥には知る人ぞ知る焼酎蔵が潜み、湯布院の喧騒を逃れておどろおどろしい仮面をコレクシ…

お正月

またしばらく休んでしまい 前回が12月の20日なので年を越してしまい あれから何したんだろ。 記憶は車窓の景色みたいにホント、 びゅ〜と過ぎ去っていくなぁ。 あっいいなこの感じと思う間もなくですね、 次の景色が目の前に現れる。その新しい景色もまた良…

浦辺誠さんと菜穂子さん

正月明けて7日。実に15年ぶりに浦辺さんちに行った。まだ僕がこの世界に入りたて31才の頃だった、と思うので15年ではなくもっと昔! 春先の新しい企画のための取材で行ったのだが、自分があっけからんと満面笑顔で行動するのかと思ったのだが実は始終緊張し…