2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

プレモダンからポストモダンへ…食べものの境界線2

情報はネット、リアルはグローバル物流。 ……僕には過激に聞こえる梅田望夫さんのサバけ方。実は内心気になり始めていた。国産とか自給とかの叫び声に、どんな必然性があるのかと、いま一度考えてみたかった。国産とか自給とかへの固執はもはや不自然なんじゃ…

育種と農法…岩崎政利さん

岩崎さんのお話6回目…… ■固定種は生命力が強い …農法を含めた固定種の生かし方 それは、こういう伝統的にその地方で受け継がれている在来種、固定種というのは、非常に、生命力が強いということ。それに比べて、今のF1種というのは、見栄えもよくて、大き…

食べものの境界線

やはり来た。2日前僕は“食べ物の境界線”という題を書こうと考えていて、それを紐解こうと、まずスローフード協会会長の『スローフードバイブル』を少し読み直し、次に自家採種の有機栽培農家、長崎に住む岩崎政利さんの話していたことを整理しようとしてい…

種の旅…岩崎政利さん

岩崎政利さんのお話は続く……■外国の種が根付くこと そういうふうに種というのを考えるときに、種そのもののすごさ、アブラナ科の種って、ものすごく小さいんですよね。その中でカブなんかもっと小さい、そんな小さい種がですよ、自らの一生の中の全てのもの…

門外不出の種…岩崎政利さん

■門外不出の種 私のところに京都で伝統野菜を作っている方からいただいた壬生菜と畑菜があります。その当時私はタキイ種苗の壬生菜と畑菜をつくってたんですが、それがもう本当に揃いが悪くて、彼がたまりかねて「岩崎さん、これだめだよ、そんな壬生菜畑菜…

F1の自家採種…岩崎政利さん

種苗会社はふつう、交配1世代目には親の良い形質ばかりが現れる雑種強勢という性質を利用して販売用の種を生産しているが、これがいわゆるF1品種(交配種)。しかしそのF1から生まれた第2世代の種は形質がばらつき、栽培用には使えないのが常識。そこ…

岡本太郎美術館

日曜日に家族で、雨の中だったが川崎に有る岡本太郎美術館に行ってきた。しずかに感動した。その記録からはネクタイ姿で精力的に時の現代芸術を突進していった観のある岡本太郎さんの迷いない言動を、その作品からは定型のフォルムという概念を(やはり明確…

自家採種を進める…岩崎政利さん

岩崎さんのお話その2。自家採種を進めてきたこれまでを振り返った。 ■広がる自家採種の世界 [最初は不安な自家採種]私たち農民が使っている種というのは、今までほとんどが種苗会社から買って種を蒔くという、それが現状の農家の姿であったとおもいます。い…

在来種は宝捜し…岩崎政利さん

2003年の冬のシゴトで、長崎で自家採種を進めている農家の岩崎政利さんのお話を聞く機会を得た。僕はそのとき、同僚の成田国寛くんと、種は旅するんだよなぁ、とひとつ大きな世界が広がった思い出がある。大切な言葉たちなので、拙くはあるが当時の記録を多…

セルリアンとオーレオリン

この前書いた、色の話。色といえばまず思い浮かべるのがセルリアンブルー、そしてオーレオリンだ。絵を描いたことのある人なら知ってると思うが、ふたつともとてもきれいな色だ。 セルリアンは確かラテン系の言葉で空色のこと。空の青。対するに海の青はウル…

桑の実

スローフード協会食科学大学の学生研修の2日目だった。この日は本郷からバスに乗り合わせ、高速道路で2〜3時間ほどにある群馬県の旧榛名町、旧倉渕村(両方とも今は合併で高崎市に編入)を訪れた。放牧豚の生産者・清水雅祥さんを学び、くらぶち草の会の…

はる

はなをこえて しろいくもが くもをこえて ふかいそらが はなをこえ くもをこえ そらをこえ わたしはいつまでものぼつてゆける はるのひととき わたしはかみさまと しずかなはなしをした ………… 詩人とはこんなふうにイメエジと話をするのか 僕は食べることが気…

神田でイタリアの若者と

今日はイタリアから、スローフード協会食科学大学の学生19人がやってきて、夜少し飲んで盛り上がった。彼らは研修の一環で日本に来て、日本の食文化を学ぶのだそうで、sこれは去年も受け入れたのだが、まあ楽しい。昨日日本に来たばかりだから、ワクワク感…

梅田さんの作品

ここのところの続きでweb進化論周辺のこと。ポジティブとかオプティミズムとか、善悪とかで様々に議論が続いているような今現在について。 まず僕自身のこの本との出会いを含むその頃の経験から思い出すと、目ウロコのひと言。遅ればせながら手に取ったのが2…

シードルの話

先週訪れた長野県さみず村で、りんごの生産者たちと、どうやってりんごで盛り上がれるかと話していた。りんごの品質をあげるのもいいけどジャムとかいろいろ加工品で設けるのもいいねと、でもあれ加工屋さんに二束三文だしなぁ、加工所つくるって言ってもな…

山下勲さん

しごとで再びさみずへ。どこかというと、長野県上水内郡飯綱町。長野県の北にあって、町村合併の前は三水村といわれていた場所だ。長野駅から新潟に向け北進するJR線で30分ほど。牟礼という駅から東に広がる標高500mほど。黒姫、妙高、斑尾、戸隠の4つの山…

書評キーワード

『フューチャリスト宣言』を読んだ。茂木健一郎さんと梅田望夫さんの対談で、全体感としては「今の社会は知的に解放されていない」「webで世界が明るくなる」「次世代を育てて生きたい」というような話を柱に、すでにweb進化論で開陳された予定の世界が追認…

色のこと、絵のこと

シゴト先の飲み会でAちゃんが「絵とか描かないんですか」と、しらっと僕に問うた。「Tさんって黒い色を着ないですよねぇ、KさんがTさんとそんな話したって聞いたけど」と聞くのだ。 そのふたつともに、話せば長〜いワケがあったりするが、クドイので話さ…

進化の話題とカルフォルニアあたり

この前触れたカルフォルニアの件、続きがある。『web進化論』で触れている“進化”についてだ。インターネットによって“情報そのものに関する革命的変化”がすでに始まっていると説くこの本で、こうした環境に身を浸し育っているこれからの世代、ちょうど今中学…

食文化から見た地域の重要性について

先週スローフードジャパン事務局から問い合わせあり、日本農業新聞のインタビューを準備してほしいと依頼され、思いつくままに書いてみた。島村菜津さんにしゃべってもらう予定で、日の目を見ないので。僕はこう考えている……Q: 「日本農業新聞の80周年キャ…

For the Children

FOR THE CHILDRENThe rising hills, the slopes, of statistics lie before us. the steep climb of everything, going up, up, as we all go down. In the next century or the one beyond that, they say, are valleys, pastures, we can meet there in pe…

web進化論3回目

また読んだ。最近、読む本の気になるところにマーカーつけまくっている。これをキーワードとみなして羅列すれば、修飾を排した読者の興味のありかを反映すると思い転記してみた…… 旧世代とは違うリテラシー(表現能力)を持った人たち 「wisdom of crowds」(…

ものづくりのすばらしさ

シゴトで福岡、熊本、宮崎、鹿児島と5日間。生産者と会い、話をしてきた。手身近に述べると、ものづくりのすばらしさを再確認できた旅になった。果樹の生産者は山を樹を育てる。畑作の生産者は土を育てる。山と樹と土の成長(生長)とともに生産者の人生も…

いもづる?

この日は土曜日。翌日は市民農園の畑シゴトをしなければならなかった。ところが事情で鹿児島に泊まらなくてはならなくなって、電話で家に連絡すると「ちょうどいいからそっちでサツマイモの苗もらってきて」と言われた。が、その人の畑に行く訳ではなくムリ…