ビデオで北の国からを女房と一緒に見た。

とにかく北の国から全編で一番泣けるシーンが、落石の蛍に会いに行った五郎さんが、別れ際に「ほたるぅ〜」と叫んでしまったシーン。泣いた。北の国は自然が厳しく、それだけに人間関係が美しい。その中で繰り広げられる悲しい現実は、どれもが都会のなかで生まれる悲劇というか、悲しさだ。それが北の国で、都会から戻ってくる様々な人の物語として語られるから、泣けるのだ。僕が葛藤していることもまさに、この物語の中では同じ一コマに思え、泣けるのだ。

どうしてムリしなきゃなんないの?

そんな問いが北の国からにはあるのだ。でもムリしなきゃならないのです、五郎さん。いつか帰りたい場所のことを思い描いて、話すことができないのです。カラ元気だということはわかっているんです。でもそのなかで、できるだけ良くありたいとは思っているんです。

北の国から、で語られる時代は、多分ギリギリの時代だったんだと思います。人間の生き方というものを、時代が変わる中でギリギリ語った物語かも知れません。でも僕らはそこからもう、大分遠い所まで来ている気がします。そう簡単に戻れない。多分勇気がいる世界です。