仲間作り…信太惇吉くん

buonpaese2007-07-23

「僕たち法人作ろうとしてるんですよ」
 信太くんがお米の勉強会の前日、お酒を飲みながら話していた。どんな会社と聞くと、大潟村の仲間たちが集まれるような会社。販売もそうだけど、仲間が一緒に農業をやりやすいような…とそのあとは酒にまぎれて詳しく話を聞くことができなかった。というか僕がいつもの調子でガヤガヤしゃべり始めたからか、酒に力を借りて自説を主張するようなタイプじゃない信太くんは、自たちのやっていることに興味を持つような仲間ができはじめていることをボソっと言っていた。前に会った時も同じような、仲間についての話をしていた。
 仲間作りについて、彼らは乗り越えなければならない壁がある。しかしその壁を越えたとき、彼らのすばらしい夢がぐんと広がる壁だ。
 信太くんには大潟村で、同じ農家の跡取りとして大潟村で育った幼なじみの仲間たちがいる。その中で今同じ志を持ってあつまったのがベジタブルスタイルグループという若い農家の集まりだ。その志は、有機農業とか、おいしいお米を作るとかを越えて、ここ大潟村で楽しく農業をしながら共に暮らしたいという願い。
 自分たちの親の世代はここ大潟村を作りあげた、彼らにとって偉大な存在だ。しかし、同じ大潟村に住んでいても、みんなバラバラ。それは減反政策が生んだ根が深い対立でもあり、歴史の浅い大潟村ではその対立が、村の歴史に無視できない足跡なのだ。その対立をまず乗り越えたい。乗り越えて、親しみ続けた村の風景や、この広々とした農地で心おきなく農業を実践し、心おきなく語り合いたい。彼らにはそんな若々しい、ロマンティックな夢があるような気がし、その夢が原動力になっているから、今彼らは仲間作りを、とてもとても大切に考えているのだと思う。それが彼らにとっての、コアな意味での仲間。その志の気高さを、僕らは忘れていはいないだろうか?