道の駅かわなべ……薩摩半島

buonpaese2007-10-01

 9月初旬。熊本の水俣に行く途中、時間をとって薩摩半島開聞岳の麓で農業をしている山脇紀子さんを訪ねた。あたたかい、豊かな気持ちを取り戻す良い2日間だった。空港から、まずは車を南に走らせ、2年前も通った川辺町で途中下車……
 道の駅かわなべ。道の駅は、国交省の企画で、国道沿いに設置する駐車場、休憩所の計画に、地元自治体の費用持ちで店舗運営を相乗りさせないかとの提案で始まったと聞く。これが広がり、今では1000箇所は越えているのではないだろうか、普通に見るようになった。僕は地方に行くと必ずこの道の駅に立ち寄るが、これが千差万別でおもしろい。
 かわなべの道の駅の印象は、ひと言“活気”だ。
 店舗の入り口にトーテムポールのような木彫が出迎える。通りすがりの客の物見遊山で賑わう道の駅はよく知っていたが、ここは地元のかあちゃんたちがものすごく多い。半ばスーパーマーケットのように、日々のおかず買いで明るく賑々しい。でも置いてある品物はほとんどが地元の野菜や加工品。地元のみそやしょうゆ、お菓子屋さんが出す“あくまき”“芋餅”。お肉屋さんからは“薩摩地鶏”。野菜も、特段のこだわりをひけらかすのでなく普通に白なすや丸いオクラ、そして出初めの“さつまいも”。どれもが普段使い。生活にこなれた食材としてさばかれていた。実は値段も安い。そんなのをうれしそうに、珍しそうに、ニヤニヤしながら写真など撮っている僕が変な感じだった。

 あとで聞いたところによると、ここの道の駅は鹿児島でも有名らしい。第三セクター方式で地元物産を開発販売もやっていて、廃業ギリギリの小さな加工屋さんを巻き込んで、新たな“昔ながら”も復活させ、小さいながらも頼もしい取り組みになっているとのことだ。
 レストランもあった、アルバイトの女の子が元気に注文をとりに来てくれ、そこで鶏飯(けいはん)を注文。小鉢に豆の醤油漬のようなものを発見し聞いたら“しょうゆの実”という。香ばしいしょうゆの香り、ぴりっとお漬物のような、さわやかな酸味。これも地元産品だという。もろみのように崩れる前の状態の、うすい醤油に漬かったような大豆と麦が、豆の形をしっかり残していて、これを食べる。おいしかったから買いたいというと売っていると。450g大ビン入りで確か300円ほどを購入した。