沈没期間

 ここのところ(通り一遍だが)時間的体力的に忙しく、頭の中をシゴトが侵食していく感覚と、疲れにより思考力そのものが減衰していく感覚を味わっていた。つらつら浮ぶイメージや思考が飛び飛びに散っていく感覚、ひとつひとつが言葉としてまとまっていかない苛立ちなどがあり、6月30日からの旅の連続で出会った人たちへの新たな思いが言葉に固定されない悲しさがあった。埋没というのか、蔵前仁一さんなら沈没とでもいうのか、思考する喜びのないところにいて、そのなかでもてあそぶことのできる言葉や事件を捜しはじめる、その心持をもつ自分を眺めているようで、これもまた気分が乗らないもの。だからあと10日ほどもすればまた元に戻れるさとじっとがまんしよう。