オルタナティブはどこに行った?

buonpaese2010-04-20






ボクがこの世界にきた頃の有機農業は、オルタナティブといった風情も備えていて、取り上げるテーマも脱サラして有機農業はじめた若者たちの生き方なども多かったのだが、まあ、変わった。
振り返ると90年代前半から広く知られるようになったに伴い、間髪おかず農水省が、有機云々銘打って販売しとる農産物にけしからんと、ガイドラインつけましょと言い始めたのが93年で、それっておかしいじゃんと志ある(?)団体がこぞって反対と騒ぎたて。96ころかな、団体みんな集まってお祭りしたりして、はんたーい、反対と叫びつつ、政治家なんかも呼んじゃったりして、ボクもがんばれがんばってくださいなんて思っていたんだけど、ところが驚き、騒げば騒ぐほど、有機農業が含んでたまあファジーではあったけどいい香りだったオルタナティブの要素が、抜けていったんだ。
農水曰く、いやいやみなさんの生き方について云々してるんじゃないんですヨ、有機というコトバはですね、、まあ英訳しますとオーガニック、ですか?そのオーガニックは純然たる表示上の定義がなされねばいかんというのがヨーロッパやアメリカなど先進国では常識化されておりまして、ここのところ消費者からもですね定義ないのに優良誤認するからとクレームといいますか、あくまでもです、表示のことでありまして…。と団体代表そうかそうか、生き方とうぜんだよ自由だもんでも表示ですか、それはそうですね、でもやっぱほらあまり画一的になるのも何か良くない、でもまあ農水さん表示はそれはそれ、有機というか環境保全を進める観点ではこれは今の農業じゃだめだからなんとかしなくちゃいかんヨ。はいそこは当然ということで。表示とは別途考えていきたいと思いますんで別途のほうは検討会のメンバーになっていただくということで、表示のほうは何卒穏便にですね、お願いしますヨ。ん?それもそうだ、なかなか農水もしっかり考えてるじゃん…
ということだったかどうかは知らないけれど、とにかく96以降はこの件パタっと騒がれなくなったのは事実である。ばかりか、各団体の指導者たち、別途認証団体づくりの準備はじめたり、手のひら返すように「これからは欧米の基準を視野に運動せにゃいかん」と……明けて21世紀、各団体のWEBSITEは「有機JAS法って何?」と説明を始めてた!
おお官の狡知お見事。生き方自由にノータッチで権力温存のバーター既得権世界権力者が守り抜いてる、自由自由というけれど、この自由は自己責任と同義、要するに枠内に収めれば治安安泰あとは統計処理でそれこそ出し入れ自由にされちゃう。
世の中良くなったかい?0.18%の普及率で成功?フードマイレージ自給率に目先を変えるのはそこらへん?書類がバクハツ的に増え情報集約が進んだ一方ますます無表情にバカになっていったように見えるんだけど、オルタナティブはどこ行ったの?
…一応言っておきたかった。
まぁ、やっと見えてきたことはあるんだけど。