そばの実

buonpaese2007-05-17

 翌日はシゴトも早々に切り上げ、昨日にも増して爽やかな道を長野駅に向け一直線、なはずもなく、やや迂回し、意気揚々と飯綱黒姫を抜け戸隠へと向かう。心当たりのお店に行くのだ。この日は何も予定がないので、通り道で蕎麦屋3軒は入ろうと、まず1軒目がそばの実さん。
 ここはガイドブックにも多く紹介され、戸隠観光の通り道だけあって、まだ11時半だというに混んでいた。店の構えは重厚民家ふう、店員もみんな若い女の子、茜色ストライプの絣でコーディネイトの民芸ふう、80席ほどの手ごろな広さ外の庭に向け大きな窓が切り取られて重たい梁と明るくバランスしてる。ちょっとした角々に地元アーティストと思われる焼き物コーナーや、ちょとハイセンスなマガジンラックもさりげなし。これならお客さんも満足するだろう、おしゃれだね〜

 昔も来た店だ。入る。
 ファミレスのように順番待ちノートに記入させられるがすぐ案内された。一人だとこの点楽だ。昔はもっとすいていたような気がしたので思い出とのギャップ。もっと上品だったな。が、文句は言えまい繁盛はいいこと。
 お品書きには「霧下のそば切り」とか「十割そば」とかがあり、限定15食とか書いてありそそられたが、年配のここの女主人と思しき、これも上品な仲居さん(?)に、いちばん安い“ざるそば”を、上品に注文。僕のポリシー。当たり前に出てくる蕎麦の水準に感動したい。まわりは家族連れ多し。お隣はおじいちゃんと娘と赤ん坊3人組で、ちょとボケ気味のおじいが「こんなん足らんワ」と娘に関西弁でボヤき、娘「こうしうもんなんよ」とこれは岡山弁ふう、人目はばかり小さな声。微笑まし。ここはお上品がウリの店なのだ。注文と共に今度は女の子が「……でございますぅ」と箸休めの蕎麦茶&蕎麦かりんとを置いていく。おもてなしスタイルなわけだ。

 蕎麦がやってきた。